〜You’re my wonderwall〜

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息子にとって母親の存在は絶対だ。母親というのは息子に対して無償の愛を注ぐ。俺は女ではないし子供もいないが、息子ではある。だから母親が息子を守るためには手段を選ばないことも知っている。
「母親の愛は永遠に続く、でもあなたの愛はいつかどこか違うところにいってしまう」
ダイアンが息子スティーブンに対しての言う台詞だ。母親はいつか息子が遠くに行ってしまうことを承知している。しかし、息子はそのことには気がつくことはない。自分の愛がどこか違うところに行くまでは。

冒頭、洗濯紐にかけられた下着には「love for sale」の文字がある。
これはジャズのスタンダードナンバーとなっておるコール・ポーターの曲のタイトルだ。
その歌の内容はこんな感じ。

Love For Sale

恋を売ってあげるよ。お腹が減るような若い恋、買わないかい??
新鮮でまだ傷んでいない恋、まだ汚れていない恋、
恋を売ってあげるよ。

買ってくれるのは誰?
試食してみようというのはだれ??
天国への旅の代金を払ってみようというのはだれ?
恋、買わないかい?

詩人さんたちには、ガキっぽい愛の歌を
歌わせておけばいい。
私はあの人達よりずっとずっと、
いろんな形の愛を知っているよ。
あなたが恋の興奮を望んでいるなら、工場直送の私がオススメ。
古い恋、新しい恋、あらゆるタイプの恋を取り揃えているよ。
本当の恋以外は。

恋を売ってあげるよ。お腹が減るような若い恋、買わないかい??
私を買う気があるんなら、いらっしゃいな。階段の上へ。
恋を売ってあげるよ。

この曲が発表されたのは、クッソ不景気だった1930年。仕事が無くなり貧民に堕ちた人たちはリンゴを売り歩いていたという。言わずもがな、「恋」「リンゴ」相互変換が可能であり、ちょっとお下品と思われたのか、当時は放送禁止を喰らっている。

この「Love for Sale」の言葉が提示された直後、ダイアンは裏庭の木からリンゴを摘み取るのである。

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