耳と丸太

毎朝、走っている。寒かろうが暑かろうが、土砂降りの雨や吹雪出ない限り、10キロ走る。コースは決まっていて、川沿いの自転車道。きっかけは、数年前に悪化した双極性障害の鬱予防のため。

「走ってりゃ元気になるだろ!」

そんな軽い気持ちで走り始めたのに、今となってはカルガモを探しと、散歩をするご老人たちと挨拶を交わすのことが楽しみになっている。昔は青い髪の毛だったりモヒカンだったりとドン引きされる見た目だったので、挨拶も返してくれなかったものだ。しかし、今となっては、快く返してくれる人が多い。そんなわけで、すれ違う人たちには必ず挨拶をするようにしている。ご老人はもちろん、犬の散歩をしている人やジョガーは大抵、挨拶を返してくれるのだが、返してくれない人々がいる。

ガチのランナーだ。挨拶しても返してもらえないと、気分が下がる。だから、こっちは意地になってデカイ声で挨拶をする。毎日やっているそんな人たちも返事をしてくれるようになる。

しかし、いまだに返さない意固地野郎二人いる。どちらもランナーで非常に個性的な風貌だ。一人は丸太、一人は耳。完全に見た目通りである。前者は、まるで丸太が走っているような寸胴スタイルだし、後者がびっくりするほど耳がデカい。どちらも妖怪か何かで人語を理解できないのではなかろうか?と思っている。

彼らのことはもう諦めて、挨拶をしないことにしているが、見かけるたび「あー、耳がきた!」だの「丸太だなあ」だのと思っている。向こうからすれば、しつこく挨拶してきたヒョロいオッサンっと言ったところか。

まあ、元気に走れるのはありがたいことなので、明日もまたカモちゃんとご老人を愛でながら走りたいと思うのでした。