沼に落ちていく若者を見るキモいおっちゃん

「これ、表紙ヤバくね?」

 本屋の文庫本棚。隣の高校生2人組が騒いでいる。目をやると、片方はギター、もう片方はベースを背負った女子高生。手に取っているのは『ドグラ・マグラ』だ。

「なんの話なの、これ。で、なんでここ隠してるわけ?」

 あの米倉斉加年の表紙。股間を指差し言う。いやー、それ隠さないと本屋に並べられないから!あんたらは”今更隠してどうすんの?”と思っているかもしれないけど、ダメなんですよ!無修正画集は多分、古本屋で高値で売られていると思う。いや、そんなことどうでもいいけど。

「これ買う。知らんけど。面白そう。」

 ベースの子が言う。それ買うの?沼にハマってしまいますよ。大丈夫なんですか?いいんですか?

「読み終わったら貸してね」

 ああ、ギターの子。ギターの子もですか。そうですか、あんたらのバンド、いい方向に向かうといいね。そんなことを思った日暮れなのでした。

肉まんと豚まん

 日曜日の話。ゆっくりと起きて、奥さんと一緒に家の掃除、洗濯。体がウズウズしてきたので、お昼前に走りに出かける。

 「肉まん、楽しみにしてるね!」

 出掛けに奥さんが言う。ああ、そうだ俺、「週末、肉まん食うんだ!」と言っていたんだ。肉まんとカップラーメン。ジャンクな組み合わせの昼食を食いたい野望。そのために走る。実に不純である。もちろん、川沿いランコースのカモちゃんの様子も気になるところである。

 颯爽と「にっくまん!にっくまん!」という呼吸で10キロ走り、帰りがけにコンビニに寄る。スチーマーにやたらとデカい肉まんが2つ残されていることを確認し、そそくさとレジに。

 「あの一番上の大きな肉まんをくださいな!」

 小一時間、肉まんのことを考えていたので、もはや肉まん人間と化していた俺はとにかく”あのデカい肉まんをよこせ!”という思いのみで動いていた。

 「大きな方は”豚まん”になりますが?」

 お、おう。豚まんと肉まんは同じであるが、うん。そういう呼び方なのね!どうでもいいから、その大きな肉まんをよこせ!

 「はい、いいですいいです。豚まんで。はい。あ、せっかくなのでピザまんも2つください」

 ええい、もはやピザまんも食わねば納得できない。ビザまんも頼む。家まで300メートル。片手にコンビニ袋、呼吸は「にっくまん!にっくまん!」

 無事に家に到着し、シャワーを浴びて、軽く肉ま・・・じゃなかった豚まんとピザまんをレンチンして、奥さんと「美味しいね!」と昼食にありついたのでした。このデカさとゴリゴリとした食感は華正樓に近いと思ったのであります。

 あとでちょっと調べたのですが、週アスの記事で「セブン「豚まん」よりも「肉まん」を選んだほうがよい理由」というものがありました。記事内では、甲乙つけがたいが「豚まん」はあっさり塩豚まんで、さらに重量比でいうと「肉まん」の方がお得でさらに味も濃いという結論を出しており「おい記者。お前、中華街でちゃんとした豚まん食ったことねぇだろ!」と思ったのでありました。

美味いもの食ったからだろ!?

 お出かけ日記。自粛で外出を控えている方には申し訳ないのだが、『ヒッチャー ニューマスター版』を劇場で確認しないわけにもいかず、新宿までひょっこり出かける。

 ついでにギャスパー・ノエの『ルクス・エテルナ 永遠の光』も観ることに。早めに出かけ、大好きな「珈琲西武」でキャラメル・パフェを食べる。美味い。いつもなら西新宿の西武に言って、ビデマさんという流れなのだが、今日は、本店からのディスクユニオンという流れをキメようというわけだ。

 パフェとコーヒーを楽しみながら『チェーンソーマン』10巻をのんびりと読み、12時を回ったのでユニオンへ。ぼーっとサントラCDを見ていたら、ビデマさんの常連さんに会う。

「いやー、どうしてもお店が恋しいですよね!」

「さっき、半島とスワロウを見てきましたが、かなり混んでましたね!」

うーん、やはり劇場好きの週末は、皆同じかなんだなあと。

「今日は、これからヒッチャーですよ!」

 ああ、同じだなあ。同じだよ!とはいえ、流石にノエは見ないとのことので、先に劇場に向かう。

良いものはいいのだ。
良いものはいいのだ。

 『ヒッチャー』は、何回も見ているので内容についてはともかく、画質ばドイツ版のBDがベースなので問題なし。問題は『ルクス・エテルナ 永遠の光』である。何の話なのかは全く知らなかったのだが、ざっくりいうと

 「ベアトリアス・ダルが映画を撮ろうとして、現場がメチャクチャになる」話である。前半は、シャルロット・ゲンズブールとダル姐が撮影前にガールズ・トークに花を咲かせる。まあ、この二人なので、話す内容は「いやあ、脱いだ脱いだ、実に脱いだわぁ」という具合。後半は、スタッフ・役者が好き放題思いのままの行動を撮りすぎて、カオスな現場に、そしてどういう訳か、照明がこ故障。現場は七色ポケモンフラッシュに包まれ、地獄の形相となる。やりたいことはわかるが、流石に15分近くもポケモンフラッシュはしんどく、具合が悪くなる。

 帰り道、奥さんにラインで「あの2人が出てるのに、全然脱がなかったねえぇ!ただ、フラッシュがキツくて気持ち悪くなったわ!」と伝えたら。カモスタンプと共に

 「美味いもん食ったからだろ!笑」

 と返される。うん、素晴らしい奥さんである。

MUBIが良いです。

 全然知らなかったんですよ、映画配信サイトMUBI。常に30本しか配信していなくて、毎日1本消えて、一本追加される。見られる作品は、無声映画から超有名作……と言ってもホドロフスキーとか時々ルーカスとか……今は黒沢清をちょっと推しているみたい。

 特に嬉しいの短編ですね。知っていても探すの面倒なんですよ。YouTube掘るのも疲れるし。プッシュされた短編をサラッと見て「うむ!良い!」というのもいいもんです。ヨルゴス・ランティモスの「NIMIC」が今見られるんですけど、なるほど、彼らしい頭のおかしい映画だなぁと。

 今は最初は3ヶ月で100円なのでおすすめです。日本語字幕は出ませんが、英語字幕は出ます。Netfilixを延々と検索するより、落ち着いて映画を観ることができます。これは良いです。

好きな映画は『プラダを着た悪魔』ではないけれど

 たまに「ナマニクはホラーばかり観ているから、頭イカれてんじゃねぇの?」なんて言ってくるん人がいるんですよ。いやー、実際そうなんですけどね。でも、ホラー映画を見てるから頭イカれるかというと、そうでもなくて、”映画ばかり見ている”から世間知らずになっちゃうんですよねぇ。

 で、ホラー映画ばかり観ているというのも誤解でして、3割くらいは普通の映画見てます。ルイス・ブニュエルとかビクトル・エリセとかミケランジェロ・アントニオーニとか。でもほら、そういう映画でウンチク垂れるのって、なんかアレじゃないですか。だから基礎教養として、ボヘーっと眺めて「はー、なるほどなるほど」と分かったような気になっております。

 でも、その基礎教養が見てもらえてないのは、なんとなく悔しいなと。今日、ふと思ったことは、そんなことです。