今週見た映画(2014 3rd Week) サイトシアーズ、不安の種 他

サイトシアーズ~殺人者のための英国観光ガイド~

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エドガー・ライト製作が全面に推されているが、「キル・リスト」のベン・ウィートリー監督ってのがスキものには気になって仕方が無かった作品。 親離れも子離れも出来てない親子関係の中、ぼーっと人生を過ごしてしまったティナはすっかり中年おぼこババァになってしまっていた。そんな彼女が、最近やっとできた彼氏、クリスと初めての旅行に出ることに。「何も知らないキミに世界をみせたるわ!」と格好良く勢いづくクリスにすっかりのぼせたティナは、「ちょっとアンアやめとき!そんな付き合って間もない男と旅行なんて!」母親の静止を振り切り、家を飛び出す。楽しい田舎風景を楽しむ2人だったが、クリスが「バスの中でポイ捨てしたむかつくオッサン」を轢き殺したことからトンだ、殺人旅行に発展していく。クリスのサイコっぷりにドン引くティナ。しかし、彼女にはクリスか母親の2つの選択肢しかないわけで、八方ふさがりのままクリスに同調していく。

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サイコキラーとまわるイギリス観光、イギリスっぽい真っ黒コメディ。基本シモネタが多く、面白可笑しく人が死んでいくので、バカホラーコメディ印象が強い。しかし、これはティナの自立の話である。主人公の2人を演じた役者が脚本も書いているので芝居がやたら生々しいのが気持ち悪くて良い。 「キル・リスト」もそうだったけど、ベン・ウィートリーは、原っぱを撮るのが巧い。さらに必ず”怪しいプリミティブな連中”を登場させることからも垣間見られるように、たぶんこの人、「ウィッカーマン」とか大好きなんだと思う。

不安の種

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そもそも一話5ページも満たない原作漫画をどうやって、長編映画にしたんだろ?まさか細切れオムニバスなのか?っと勝手に心配したが杞憂に終わった。 TRASH-UP!!の屑山さんが「これ、いいよ!」と言っていたとおり、最近の日本のホラー映画の中ではかなりできはいい。原作エピソードを巧いこと散りばめ一本の大きなストーリーになっている。とはいっても、ねじ込んだ感はかなりある。しかし、このねじ込み感が還って良いカオス状態を引き起こし、変な勢いに変換されている。これは面白い・・っていうか楽しい。 とりあえず、胴体が真っ二つになったり、出刃包丁を逆手持ちで「刺すべし!刺すべし!」とやる映画と思って見れば良いんじゃ無いかなあ。

その他、これと言ってどうってことないヤツ

スタートレック イントゥ・ダークネス

都合の良いところから突然ナイスアイテムが登場したり、エンタープライズ号の動力源を昭和のTVよろしく蹴っ飛ばして直すとか、なんだかもうのれないと辛いだけの映画だった。カンバーバッジさんの良い声と眼力、スポックのバルカン・アタックだけは頭に残る。JJ大嫌い。

インシディアス 第2章

「死霊館」の中途半端なゴシックホラーが全く合わなかったが、本作のように「あくまで見世物」としてのお化け映画は大好きである。リー・ワネルの脚本は相変わらず楽しさ重視なんだなと。ジェームズ・ワンは生真面目すぎるので、彼と組んだ方がバランスが撮れるんじゃ無いかなと思う。 椅子メッタ殴りするシェイ・リン、この人はなにやらしても楽しい女優さんだなあ。

死霊の囁き

可哀相なのは「残響」という原題から連想されるとおり、ややオカルト方面に振ったタイトルとその内容なのに、リメイク版「死霊のはらわた」のソフト化に合わせて発売されたもんだから、内容と全く違う売り方をされてしまっている点。 呪われたスタジオどうのこうのという、さほど魅力も感じないプロットで演出も使い古されたフラッシュバックエフェクトやノイズばかりなので退屈っちゃ退屈だけど、撮り方は職人のようなカッチリしているためソコソコ見られる。週末の夜、寝落ちするべき鑑賞するような映画(それも可哀相だけど)

今週観た映画(2014 2nd Week)

The Human Race

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これは傑作!”1ブロックにいた人間”老若男女80人全員を突然拉致。”走るか死ぬか”のゼロサムゲームに強制参加させる。こんな話を聞くだけでも胸が熱くなる映画も久しぶりだ。 何故・どうやって拉致されたかの説明は一切無し。さらに登場人物のバックボーンも一切無視。鬱陶しい恋愛エピソードや家族愛エピソードも徹底排除。それぞれの服装や状態(歩行器持ちのジジイ、聾唖、片足落ち)から彼らの背景を観客が想像するしかない。提示されるのは”彼らがこのゲームを以下に乗り切るか”のみ。非常にハードコアなゼロサムゲーム映画となっている。 人物の背景エピソード無しというのはかなり斬新。中心となる人物の説明エピソードが挿入されるのだが、まったく意味が無いことがその直後に示される。エピソード提示直後にその人物は死んでしまうのだ。要は「この映画は、コイツらの過去なんて知ったことではありません」という心意気の提示。落ちの斜め上っぷりも素晴らしく、いきなりの本年ベストとも言える作品。

ゴースト・チーム・ワン

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最近増えてきたVOD専用配信映画。(輸入盤DVDはあり) ブラッドとセルジオは、自分達が住む家で激エロな娼婦の悪霊を呼び起こしてしまう。そこで彼らはエロい女フェルナンダとチームを組んで家に潜む悪霊の正体を暴こうとするが、ホットな彼女と仲良くなりはじめると、このエロ女悪霊までその気になってしまう。この悪霊、性欲に反応するのである。やばい、娼婦の悪霊に犯される!! くっだらねえPOV。くっだらねぇんだけど、ここまでアホだと爽快ですらある。この映画、ホラー要素は殆ど無いくせにR15指定。なんでだろうなあ?って思ってたら、最後の最後に強烈な展開が待っていたのでした。VODで作品を買ったこと無い人は是非入門代わりにどうぞ。絶対損します!

今週観た映画(2014 1st Week)

風邪引いて更新が遅くなった。
正月休みで、昨年スルーしていた映画をポツポツと消化

ラスト・デイズ

Last

「フェーズ6」こと「Carriers」のパストール兄弟の新作。「フェーズ6」が地味過ぎたので無視していた映画なのだが、結構良かった。「広場恐怖症が蔓延し、世界中の人間が引きこもりになる」というヘンテコ設定。会社で発症した男が、家に残してた身重の妻に会うため、自分をリストラしようとした管理職のオッサンとともにGPS片手に地下道を這いずり回る。ほぼ全世界引き籠もりなのにGPSが動いたするのはご愛敬として、多少の荒っぽさに目をつぶれば低予算ロードムービーとしては結構楽しめる。

APP アプリ

App

自動増殖するスマートフォンアプリによる連続殺人を描いているが、肝心のアプリがフレームワークの顔面(アルカノイドのDOHみたいなの)で、さらに音声は如何にもな合成音声、今更こんなもん出されてもシラけてしまう。設定は21世紀なのに中身が20世紀。ちょっと厳しい。ややムカついてのでネタバレしちゃうと、主人公の女の元カレがストーカー目的に開発したアプリというしょぼさ。もっと言うと主人公の女がバカ(お勉強できない)なので「早く死なねーかなー、このクソ女」と思いながらの拷問80分でした。
世界に先駆けてDVD独占先行レンタルしたツタヤは、何を考えてこんなもん調達してきたのか。

僕が星になるまえに

ベネディクト・カンバーバッチ主演の余命映画。畑違いなのでコメントしないが面白かったです。俺ね、缶バッジさんのことちょっとバカにしてたわ。ごめん。この人良いねぇ・・・。

殺人の告白

壊れた宮部みゆきの小説みたいな話だった。

The Underneath

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俺ね、つまらない映画を観ても「あぁ、つまらないなぁ。。」と思っても、腹を立てることはあまりないのね(あ・・さっき「APP アプリ」でムカついてたか・・テヘ)でもこれは腹が立つほどクソつまらない映画だ。
要は「ダメなディセント」。新婚旅行中のブサイクな夫婦が地底人の罠にはまり、地中で白塗り地底人とイチャツキながら戦う。ランニングタイム90分のウチ70分はイチャイチャしてる。これがメッチャ苛つく。だってブサイクなんだもん。しかも旦那は足を剥離骨折してるくせにケンケンしながら歩く。骨でてんだぜ?!果ては白塗り地底人が後背位でパコってるシーンまで出てきやがる!ふざけんな!

Antisocial

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大晦日の夜、楽しくホームパーティをしている5人の学生。ノーテンキに遊ぶ彼らをよそに、屋外では突如人格を失い今日凶暴化する疫病の大規模感染が爆発的に広がっていた。事態に気付いた彼らは、部屋に閉じこもりネットを頼りに感染原因を調査するのだが、外部と接触が無い彼らも感染の兆候が・・・。
これは良い。言ってしまうとFacebookのアカウントを持っている人だけが感染する病気の話。ムチャクチャな設定であるが、これがなかなか楽しい。自らの頭に電気ドリルで穴を空け、感染源を取り出す描写も熱い。

その他正月だからなんとなく見直した映画

「ディクテーター」「ワイルド・スピード ユーロミッション」「めぞん一刻」(1〜18話)

今年やること

新年の挨拶とかあんまりしないんですけど、今年はバタつきそうなので色々宣言でもしておこうかなと。

だるいマンションの理事会をどうにかする

これね、いつかは回ってくるんだけど、ついに副理事とかクソ面倒な担当になってしまい、どうにか面倒なイベントの数々を華麗にスルーしたいなと。無理なんだろうけどさ。とにかく折り合い付けてストレスフルな日々は避けたい。

だるい本職をどうにかする

昨年の暮れから新しいプロジェクトが始まりまして、無茶ぶりが増えております。このペースで行くと完全社畜モードに入りそうなので、これもどうにか面倒なイベントの数々を華麗にスルーしたいなと。無理なんだろうけど、折り合い付けてストレスフルな日々は避けたい。

楽しいライター仕事を頑張る

未だヘッポコライターの域を脱していません。一発で原稿上げること出来ないし、筆は遅いし、時折リズム崩れて、掲載して貰って読み返しても「これはイカんかったなあ」と思うことが多い。少しでも金払って雑誌や本を買ってくれた人に楽しんで貰えるよう腕をあげないと。

本を出す

当然、同人レベルですけど「ナマニクさんの暇潰し」のエントリを加筆修正しつつ本に纏めたいなぁあと・・・。いや、まとめる。

以上!

2013年の映画について

印象深かった映画を黙々と上げていきます。ランキングではなく思いついた順です。僕は劇場にはもちろん行きますが、基本的に自宅で黙々と海外配信VODや輸入DVDを見るスタイルを取っています。だから、ちょっとズレている感じがあるかなと思います。毎年の事ながら、ホラー映画ばっかりです。

All About Evil

Allaboutevil
これは好きな要素が詰まりすぎていて、何を褒めて良いのか分からないくらい。これ以上は何も言えないっすわ。

スプリング・ブレイカーズ

Spring breakers
予告が連想させるハードコア感とは全く違う、ヌルい内容が批判されることも多い本作。しかし、ハーモニー・コリンは「ありそうでなさそう・・・でも、あるかもしれんなあ・・・」という堕落した人生を描かせたら最高の監督だ。その点で本作は間違いなく傑作。年中スプリング・ブレイクしているジジババが大暴れしている様を描いた同監督の前作「Trash-Humpers」を見れば、本作が趣旨がより理解できると思います。

What We What We Are

What
”祖先の業が原因で、食人が伝統になっている一家”の悲劇。
2人の娘と幼い弟、父親と母親の5人家族、一見、地味な生活を送っていた彼らだが、母が”プリオン病”を発症。もちろん原因は食人にあるわけで、それに気付いた町医師が一家の隠された秘密を暴いていく。その時、奇しくも嵐がやってきて一家が密かに葬った犠牲者の骨が川に・・・・。
と、こんなあらすじ。
カニバリズム描写は一切無い。食人伝統を意地でも守ろうとする家長と思春期に達した娘たちの微妙な関係をメインに起伏無く淡々と描いていく、「ステイクランド」のジム・マイクルの作品。「ネズミゾンビ」や「ステイクランド」の豪快な演出とは全く毛色が違う激渋映画。

サプライズ

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オールドスクールな箱庭・覆面殺人鬼映画。やれPOVだー、ソリッドシチュエーションだー、と一発のパンチ力に重きを置くことが主流になっている今、この作品を生真面目に作ったことだけことでも褒めたい。スタッフは案の定「V/H/S」やBloody Disgusting関連の人々が名を連ねており、古き良きホラー映画の復権を企んでいることが見て取れる。

パシフィック・リム

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これね、一部で騒がれているほど面白い映画でも無いけど、楽しいよね。「あぁ・・楽しいなぁ」っていうのがピッタリくるかなあ。実際2回観に行きましたし・・。

Wither | 悪霊のはらわた

Wither
リメイク版「死霊のはらわた」の仕上がりにムカムカしていた心にガツンと決まったスウェーデン版「死霊のはらわた」。大好き。

Stalled

Stalled
こっちのエントリで概要を書いたけど、これは本当に良いゾンビ映画だった。基本はコメディだが、ビックリするほど切ないツイストが仕組まれている。

The Battery

The battery
性格が正反対に違う男2人の不思議な友情をゾンビという存在を通して面白可笑しく、そして悲しく描く。とっても素敵な雰囲気で、一度見たら忘れられない。

インポッシブル

Vlcsnap 2013 07 01 23h53m56s135
薄幸面したナオミ・ワッツがゾンビみたいなメイクして血反吐ゲバゲバ吐いてるだけで、俺は100点上げちゃう。

ゼロ・グラビティ

Debris gravity
これ、おもしろよね。作品とは別の所でちょっと面白かったのはトレイラー公開時点では素無視していた「某ロボ映画!某ロボ映画!」と騒いでいた人たち。エドガー・ライトがベタ褒めツイートを流してからの彼らの手のひら返しっぷりが楽しかった。アニヲタな人が素早く”俺の嫁”を取り替えるような感覚なんかなー。

POV色々

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今年は油断するとPOVばっかりでした。2012年もかなりの割合だったけど、今年は確率50%といっても良いくらいのPOV地獄。玉石混交でも石ばっかりのジャンルですが、今年は確率50%故、良作も多かった。「エビデンス -全滅-」「The Bay」「V/H/S シンドローム」「V/H/S ネクストステージ」、それから「コワすぎ」シリーズ2本、この6本は間違いない。

以上です。

今年は有名ホラー映画のリメイクが多く公開されましたが、どれもイマイチ。「マニアック」も「キャリー」も本編はそのものは悪くないモノの、別なところで議論があって色々ケチもついてしまい残念なことに。実際、この件については先行きが非常に暗い。めちゃくちゃ暗い。ほんとに鬱々としてくるものがある。
そんな中、インポッシブル等に見られたエグい描写はここ最近の流れである「ゴア描写の一般化」が今年も進んでいることが確認できたし、「サプライズ」のようなオールドスクールながらも堅実な作品の公開や「チキン・オブ・ザ・デッド」からのAstron-6関連(ファーザーズ・デイ、マンボーグ)を踏まえてのトロマの底力が劇場で楽しめたのも嬉しかった。

今年問題になった件は何一つ解決していないので、提供側も受取側も課題が山積みの状態がしばらく続いていくでしょうが、来年もまたいつも通り偏った鑑賞を続けて行くです。