俺のゲーム原体験「デゼニランド」から始まり、コマンド選択式が滅びてしまい、サウンドノベルが主流となった今でも、AVGってのはお気に入りのジャンルだ。このジャンルは、基本的に殺人事件やオカルトを題材にした作品が多く、俺としても不謹慎なお話が気軽に流し読める非常に好都合なものである。
従来の「流行り神」は、シナリオ選択型でそれぞれのエピソードが独立していたが、今回の「真・流行り神」は、人をぶっ殺しては目をえぐり出す「ブラインドマン事件」を主軸に「かまいたちの夜」形式で、途中の行動選択により、ストーリーが分岐していくというもの。悪霊あり、ゾンビあり、変態あり、サイコサスペンスありと一通り押さえてはいるものの、どれもこれも無理矢理な分岐による強制的な話題変更が伴う上、内容もぞれぞれのジャンルの上っ面を舐めた程度のものであり、それぞれの掘り下げが足らない。話の作り込みが甘いのだ。
話の作り込みが洗い割に、残酷描写はやたらと多いという、安っぽいビデオ撮りのインディーズ映画の体で、従来の「流行り神」にあった「結局良くわからんけど、薄ら怖い」感覚は皆無。まったくもって残念な内容であった。
↑その安っぽさが爆裂する、主人公の女を取り合うブリーフ男同士の争う場面
唯一、主人公が無理矢理拷問に荷担させられた挙げ句、最後は自分が拷問される側にまわる運命を暗示させたまま終わる洗脳編だけは、非常に良かったかなあ。