やたらとヒョロヒョロしたブロンズ像でお馴染みのジャコメッティ。彼の作品はモダンな美術展で幾つか出展される程度だったのだが、今回、ピンで展覧会をやっているというので観に行ってきた。俺は実存主義だのなんだのというのは、よく知らないし興味も無い。ただ、見たままのを表現しようとしたら、人体が細く長くなっていったというのは、とても面白い。それにこれらの作品、ヒョロ長いだけが特徴ではない。実際見てみると分かるのだが、彼の作品はやたらと目に執着している事がわかる。ブロンズ像では分からないが、リトグラフや紙に書かれた彼のスケッチを見ると、それは明かだ。
「空間を現実に存在するモノとして作られる彫刻は全てインチキだ。空間の錯覚があるのみ」と彼は言っていたという。ただの通路にしか見えない狭いアトリエに住みながらも「自分にとっては、ここは無限の広さを感じる」とも。このイタリア系のオッサンの目には何が見えていたのか。
アイキャッチ画像は、ジャコメッティの人生を描いた映画『Final Portrait』(2017)。日本公開予定があるそうだが、妙な邦題にならないことを祈る。
めっちゃイギリス英語なのが気になる・・・。