キネカ大森「死霊のしたたり」トークショー付き上映、ご来場ありがとうございました!

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 恒例になったらいいなあ……と思いながら、今回は鈴木さんとしっかりとお話しました。来場いただいた方、満足していただけましたか?してくれたら良いなあ……。また機会があれば・・・多分ありますが・・・よろしくお願いします!!

ミッドサマーのネタ合戦的なのが、ちょっとアレ

 お花畑映像出して「はい、ミッドサマー!」と「ミッドサマーはホラーじゃないよ!明るい地獄だよ!」という2種類の頭がお花畑なネタがどうにも合わなくて、何ともなあと。残酷描写は人体が壊れるだけなので、”ウェーイ!たのしーっ!”というのは分かりますし、人間関係の清算は気分いいよねと思うのも分かる。未分析で「単純明るさ故に怖い。あるいはメンタルヘルス的にホラーではない。」といってしまうのは、完全に思考停止感があってですね、それホルガ村のアホ村民と一緒じゃね?と思うところでして。「俺は考えてるぞ!」といいたいわけじゃないんですが、そういう思いが、どうしても湧き出てきてしまうわけです。で、なんなのよ?って話ですけど、俺は「”盲目的な信仰っておっかねぇえなあ”と思うかどうかの問題」だと思っています。今日、神奈川県近代美術館 鎌倉別館で関根正二を見ていて確信しました。

「信仰の哀しみ」

 どうでしょう。なんとなく『ミッドサマー』ぽさを感じませんか?とうか、ミッドサマーよりミッドサマーしていると思います。これは関根さんが蓄膿症の術後経過が悪い中、日比谷公園の便所で見た幻覚を描いたものです。本当は「楽しき国土」というタイトルだったのですが、友人に「無ぇわ」といわれて、変更したとのこと。どうですか、この明るい憂鬱感。これに「楽しき国土」なんてタイトルを付けようとした関根さんの発狂具合も合わせて、素晴らしいと思いませんか?

「神の祈り」

 こちらは「信仰の哀しみ」とセットで語られることが多い作品です。右の人物は円光があるので天界の人、左の人物は円光がないので地上の人間です。で、なぜか地上の人間は下を指差して「みこころの天になるごとく、地にも」なんて祈って、天界の人間が捧げ物を人間に与えてる。なんだかひっくり返ってる感じがするなぁと。これもなんだか、俺は奇妙な怖さを感じるんですけど、どうでしょうかね。

 なんだか、よく分からなくなってきましたが、なんというか映画を他の芸術と合わせて掘り下げる楽しさみたいなのが、理解されるといいなあと思います。あ、このあたり滝本 誠さんの『映画の乳首、絵画の腓』がメチャクチャ勉強になるので、オススメです。

今週はそんなところです。ミッドサマーについては、普通の観点でのレビューを以下に書いています。よろしければどうぞ!

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