夏の小さな茄子

 仕方なしに働いている会社の査定が低かったので、夏のボーナスが少ない。とはいえ、適当な仕事しかしていないし、コロナ禍以前から週2日、在宅勤務でやりたい放題やっていたので、もらえるだけラッキーだ。業界は全く違えど、既に「冬のボーナスは無し」と決められてしまったJTBの人たちに比べればよっぽどマシである。

 ちなみに個人目標は達成していた。達成どころか+α程度にはやってのけていた。しかし、課はもとより部、さらには本部自体の業績が真っ赤になったため、それに巻き込まれた形だ。こうなってしまうと、俺の力ではコントロールできないので仕方ない。そもそも去年の2月に配属された時、教育無し、仕様書無しの放置プレイの果てに、過労死ゾーンを軽く超える残業させている様子を見て

「これはアカン……。はめられたな。」

となっていたので、こうなることは予想していた。なので、速攻で異動願いを提出。産業医や人事部を巻き込んで色々と画策し、今年度は(多分)普通の部に移動。なんとか巧くやっている。なんだかんだとウチの会社はバカでかく、文句を言えばちゃんと話を聞いてくれるので、辞めるのはもったいないのだ。

 気がかりなのは一人、逃げ遅れてしまった同僚がいることだ。今、彼は「こんなムチャな事やらされて、責任押しつけられるなら、契約社員になろうかと」と言っているらしい。まあ、そらそうなるだろうと。今回は手切れ金を差し引かれたと思って、ニコニコと暮らしていこうと思う。

 だって俺にゃあ、物書きという別な顔があるから。

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