「告白しておいて、そのままってのはないんじゃないの?」
そんなこと言われても、こちらの気持ちを伝えたいだけだったのだから仕方ない。中2の俺にゃあ、デートにさそう甲斐性もなければ、デートに着て行けるようなまともな服も持っていない。前日、隣のクラスの女の子に電話で告白した。しかし、それはとんでもなく一方的なもの。「好きです」と言ってガチャ切りしたのだ。今思えば何でそんな事をしたのか、さっぱりわからない。
「何かあるでしょう?ほら、付き合いたいとかさ。そういうの。」
「あ、いやー、気持ちだけ伝えたくて。」
「じゃあ、何もないってことでいいの?」
「……。いいっていいって!」
逃げるように下校した。そもそも目の前にいた女は、俺が告白した相手じゃない。その友達だ。「どうしたいの?」なんて、友人経由で俺に聞いてきたということは、脈無し心肺停止状態だったのだろうが、もし、この時「じゃあ一緒に服を買いに行きたい!」と答えていたら、人生変わっていただろうか?彼女は、その3ヶ月後、どこかに引っ越してしまったのだが。