連載のネタがようやく決まって「ああ、5年も前の映画を見直さねば」と思いつつ、ぼーっとこれを描いている。
……見終わり。「うん。俺の見立ては間違いないな」と確信。ふと、コロナ禍前に山崎さんとファミレスで交わした会話を思い出す。
「僕は、何回も何回も好きな作品を観て思うことを書く。だから”新しい映画おすすめ映画で何かある?”と聞かれると困っちゃうんだよねー。そのあたりはナマニクさんの範囲かなー。みたいな」
細かいニュアンスは違うかもしれないが、大筋、こんな会話。うん、確かに俺は新作、かつゴア映画担当という感じだ。でも、古い映画も好きなのだ。とりわけ、ここ数年はジャッロに魅了されている。ジャッロは知識人が多く、今更何かウンチクを身につけたところで、もはや太刀打ちできる状態ではないが、新作同様、一生懸命観て勉強しているのだ。Filthy Vol.2で恥ずかしながらも『Strip Nude for Your Killer』のレビューを載せたのは、その一部だ。独自に解釈してみて、間違っていても楽しんでもらえればいい。ジャッロの面白さが伝われば良いと思って書いたのである。
さて、5年前の映画を観て、これは新しいのか?古いのか?と疑問に思う。未だ日本で公開されず、誰の目に止まっていない5年前のこの映画。5年経っても面白かった。この映画。自分の得意分野はどこにあるのだろう?どこに着目すれば他のライターと差別化できる?そう考えると、俺の誰の目に触れられなかった映画を「ほら!未公開作だよ!」で済ませるやり方はもう終わりかもしれない。じゃあ、何するの?って何も浮かばないけど。難しいこと考えると、鬱になるのでやめる。面白いこと書く。それだけで良いか。
息抜きに海外BDの発売予定を眺める。『Demonia』の文字を見つける。『新デモンズ』て。案の定、販社はSeverin Filmsである。この会社は本当に頭がおかしい。前にも出していたような気がするが、きっと気のせいだろう。まだ公式サイトには掲載されていないが、もしかしたらフルチの”変なバンドルセット”を出す可能性がある。え?買いませんよ!でもねえ、『新デモンズ』は妙なズームを使いまくるカメラワークがイカすんですよねえ。バッキバキで観たらどうなるんでしょうねぇ?なんともならねぇか……。
俺は、混沌としたDVD/BD棚と映画に埋もれていく人生なのだ。