鍵穴が怖い

 鍵穴が怖い。覗いたら向こう側から針やプラスドライバー(マイナスではない)で目を突かれるかもしれない。凶器で突かれなかったとしても、見てはいけない風景を見て、心を貫かれてしまうかも知れない。だって、鍵をかけている部屋では絶対に秘密の行為が行われているはずだから。

 鍵をかけている側から考えてみる。それはそれで恐ろしい。鍵をかけているから誰も入ってこられないと考えて、安心できるだろうか?いや、そうはならない。誰かが鍵穴から見ているかもしれないではないか。そんなことを言い出すと、ドアの”のぞき穴”すら恐ろしく感じる。実際、"のぞき穴"から、どこかの誰かに中を覗かれた友人は何人もいる。いっそ鍵穴に仕掛けをして、覗いた者の目を突く仕掛けを施してはどうか?ああ、それなら”のぞき穴”にも同じ仕掛けがしたい。穴を覗くヤツなんてロクなヤツじゃないんだから、片眼ぐらい失っても文句は言えまい。

 鍵穴のことを考える。思考がグルグルと回り続ける。ああ鍵穴。なんと恐ろしい穴なのか。

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