朝から色々とガックリくる話を聞いてしまい、これは鴨を見るしかあるまいと。先日、ぼくが朝のマラソンでコケてケガをしたので、お流れになっていたお楽しみ企画「駅前の人気コッペパン屋で惣菜パンを買って、モフモフ食べならがらカモを愛でる」を実行したのである。
ところが強風のせいか、カモがいない寂しい風景が広がっていた。
寂しい上に、めちゃくちゃ寒い。奥さんが淹れてくれた紅茶を飲み飲み、コッペパンを食べる。奥さんはチーズが爆盛りされた”チーズスペシャル”、ぼくは欲張って2つ。ピクルスがしこたま入っている”野菜サラダ”と50円でホイップをマシマシにした”クッキークリーム”。風に吹かれながら一匹フワフワしているヒドリガモを眺めつつ、悪い食べ物を楽しむ。しばらくするとオオバンやらカルガモが少しずつやってきて、賑やかに。
「でも、キンクロちゃんがいないねぇ」
キンクロハジロにどハマりしている奥さんが寂しそうに呟く。毎日、キンクロ観察のために公園に通っていた彼女曰く、3日前から姿が見えないとのことだ。
「キンクロちゃんがいなくなったら、どうすればいいの?」
「もう、来シーズンまで布団かぶって寝てるしかないね!」
キンクロちゃんは、渡り鳥だからお別れは仕方ないのだ。いつもお別れは突然やってくるもんなのだ。